不登校はだめなこと?子供が不登校になった時に考えたい選択肢とその理由を解説

本メディアでは専門的な知見から、お子さんの子育てや勉強に関する悩みを解決しています。今回は不登校はダメなこと?というテーマで話をさせて頂きます。

過去私は小学校の教員をしていました。生徒が不登校になった経験もあります。また生徒の保護者が苦しむ姿を多く目にしてきました。

当時の経験から不登校の子を持つ保護者の方々へ役に立ちたいという思いで本メディアを運営しています。今回の記事が子供の不登校に悩んでいる方々にとって役に立つ内容であれば嬉しいです。

統計から分かる小学校の不登校問題

突然ですが読者の皆さんは不登校の小学生が全国にどれくらいいるかご存知でしょうか?文部科学省が毎年実施している「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」に正確なデータが記載されています。

同調査によると全国の小学生622万人の内、不登校になってしまった生徒数は約8万人でした。これは小学生の100人に1人が不登校である事を表しています。

この数字を見て皆様はどのように感じられるでしょうか?1クラス30人前後の小学校の場合、3クラスあれば1人は不登校の生徒がいる計算になります。

データからも分かるように、小学生の不登校は珍しい事ではありません。小学生の子供は毎日ものすごい早さで成長します。その為、感情の起伏が激しく、些細な出来事で心が傷ついたり、落ち込んでしまうことがあります。今まで元気に登校していたのに、何かのきっかけで突然不登校になってしまう場合もあります。

小学生の子供をお持ちの保護者にとって、子供の不登校は身近に起きる可能性がある問題です。本記事を読まれている方で子供が不登校になってしまった保護者の方はどうか落ち込まないでください。

「うちの子供に限って不登校になるはずがないと思っていた」

「どこかで育て方を間違えてしまったのかもしれない」

上記のように子供の不登校を取り返しのつかない問題と考えられている保護者の方は多くいらっしゃいます。しかし上述の通り、子供の不登校はいつ誰に起きてもおかしくない問題です。解決に向けて出来ることはたくさんあります。また過去同じように不登校問題に直面した保護者の方々が残してくださったデータや取組事例があります。

解決に向けて子供にとって一番良い方法を一緒に探しましょう。

不登校がだめだと言われる理由

いつ起きてもおかしくない問題にも関わらず、なぜ不登校は問題視されるのでしょうか。ここからは不登校がダメだと言われる理由を紹介します。

就職が困難な場合がある

不登校が続くと就職が困難になると言われます。現代の日本では高校卒業後に就職するパターン、大学卒業後に就職をするパターンの2種類が一般的です。

しかし小学校で不登校になってしまうと中学校、高校でも不登校になる可能性が高く、大学に進学できないかもしれません。

そのため一旦不登校になると就職が非常に困難になり、子供の不登校は人生で大きな遅れをとる深刻な問題と認識されてしまうのではないでしょうか。

人間関係が上手く行かない

小学校は他者との関わりを鍛える場所であると考える大人は多いです。そのような人は、学校に通いながら人との接し方を学び、子供は成長すると考えているかもしれません。

実際に不登校になると他者との接点は少なくなります。学校で友達と過ごすはずだった時間が減るので、他者との関わり方を学ぶ機会も減ります。家から一歩も出れない場合は、子供一人の時間が多くなり、家族以外の人と接する機会がかなり少なくなります。

こういった状況から、不登校の子は人間関係に苦労すると捉えられがちです。

忍耐力が身につかない

学校ではやりたくない事もやらなければいけません。生徒によって違いはあると思いますが、宿題、運動会、水泳の授業、修学旅行、授業参観、夏休みの自由研究など、学校にいると様々な課題や難題に取り組む必要があります。

「嫌な事でも頑張ってやりきる事」で子供の忍耐力が身につくと一般的には考えられています。不登校になってしまうとこのような機会がなくなってしまうため。忍耐力が欠けた大人になると心配されてしまうのでしょう。

不登校はだめではない理由

ここまで不登校がダメだと言われる理由を紹介してきましたが、私は違う考えを持っています。不登校はダメではない理由について解説します。

就職をしなくても生きていける

「就職が困難になるから不登校はダメなこと」と考える人は言い換えると、就職する事が良い人生と考えています。しかし本当に就職する事が良い人生に直結するのでしょうか。

一つ残酷な例を紹介します。厚生労働省が発表した「令和3年中における自殺の状況」によると、1年間の自殺者数は21,007人。その内、勤務問題が原因で自殺をした人の人数は1,935人になります。約10人に1人が仕事が原因で自殺している事になります。このような状況で就職する事=幸せな人生と言えるのでしょうか。

別の理由もあります。現代の日本では終身雇用制度が崩壊しつつあると言われています。終身雇用とは一つの会社に就職し、定年まで働き続ける事を前提とすれば、毎年給料が上がる制度の事です。

しかし現代のビジネス環境は毎年大きく変化します。例えばCOVIDやウクライナ戦争など私たちが想像できなかったような事が突然起こってしまいます。

このような環境下で企業に求められる事は「環境変化にすぐに対応出来る」体制作りです。社員を定年まで雇い続けることは企業にとって大きなリスクです。このような環境下では就職する事=リスクとも考えられるのではないでしょうか。

また現代では個人の力が大きな意味を持つようになってきました。例えば、どんな事が出来るのか、誰の課題を解決出来るのかが大きな会社に在籍することよりも重要視されています。

このように考えると就職が出来なくても問題はありません。自分が好きな事を徹底的に高めて、世の中の役に立つ事が出来れば、会社に就職しなくても生きていく事は出来るのです。

学校に行かなくても他者との関わりを持つことが出来る

他者との関わりが重要であれば、学校以外の場所でその力を養えば良いと考えます。最近では不登校の生徒向けに特化したプライベートスクールや学習塾などがあります。

これらの場所に行けば人と接する事が出来ます。学校以上にプライベートスクールや学習塾の先生は子供の状況や未来を真剣に考えてくれるでしょう。

学校に行かないと将来の人間関係に苦労するという一方的な考えは誤っています。世の中にある色々なサービスを把握し、子供にとって一番良い方法を見つけましょう。

忍耐力は学校以外でも身につける事が出来る

これまでの内容と重複する部分もありますが、忍耐力は学校以外の場所でも習得できると思います。

最近では自宅で親が子供に勉強を教える家庭もあります。家庭教育に関する本などもたくさん出版されており、学校に行かずに親が子供に教える教育方法が注目されています。

学校に行く事が忍耐力を身につける唯一の方法ではありません。不登校の子供に悩む保護者の方々にはたくさんの選択肢がある事を知って頂きたいと思います。

不登校の子の選択肢

ここまで不登校がだめでは無い理由について説明してきました。不登校の子供を持つ保護者の方の悩みが少しでも和らいでいれば嬉しいです。

一方でこのような疑問を持たれている方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。

「不登校がダメでは無い理由は分かったけど、今の状況が続いても良いの?」

「親として子供のために出来ることがあれば教えて欲しい」

ここからは具体的に不登校の子供向けにどのような選択肢があるのか紹介します。

1)家庭教師

先生が自宅まできてくれる家庭教師は有効な選択肢です。子供にとっては学校に行かずに自宅まで先生が自宅まで来てくれるためストレスも少なくなります。

また1週間に1回など定期的に勉強する時間を確保できる事は大きなメリットです。

一方、デメリットは家庭教師の先生と子供との相性が合わなかったり、先生側が教える事に慣れていない場合があります。

アルバイトで家庭教師をやっている先生は指導経験も少ないため、子供一人一人にあった指導が難しい場合があります。

メリット:自宅で勉強が出来る。勉強の時間が確保される。

デメリット:先生によって効果に差がある。

2)通信教育

指定された教材を使って子供が自分で勉強を進める方式です。取り組んだ課題に対しては添削指導が受けられます。最近では教材に動画を使用している場合もあります。

子供が自分のペースで進められる点は大きなメリットです。

しかしデメリットとしてはサボろうと思えばサボる事が出来てしまうため、継続できるかが問題です。

通信教育を申し込んだが気づいたら全く進んでいなかったという事にもなりかねないため、その際は保護者のサポートが必要になります。

メリット:自宅で勉強が出来る。教材にそって勉強が出来る。

デメリット:自分で勉強を進める必要がある。

3)インターネット学習塾

動画の講義や指定の教材を使い勉強する方法です。塾によっては専用のオンラインサイトやコミュニティを運営しており、チャットで簡単に質問できる機能があるところもあります。

通信教育と違い双方のコミュニケーションがある点はインターネット学習塾の大きなメリットです。普段からスマホを使用している子供やインターネットの扱いに慣れている子供でしたら抵抗感も少ないでしょう。

デメリットとしては通信教育と同様に子供が自ら進める必要があるため、継続できるかが重要です。軌道に乗るまでは、保護者も子供と一緒に取り組んでみるなどのサポートが必要です。

メリット:自宅で勉強が出来る。動画で勉強が出来る。すぐに質問が出来る。

デメリット:自分で勉強を進める必要がある。

4)親が教える

自宅で保護者が子供に教える方法です。親子のコミュニケーションが取れ、好きな場所と時間に勉強ができるため、ストレスも少なく他の選択肢と比べてメリットは多いでしょう。

海外ではホームスクールと呼ばれ、学校で勉強する事が唯一の選択肢ではないという考え方が徐々に認知され始めています。

しかし、学校の勉強を親が全て教えるのは大変です。今日では保護者が小学生だった頃には無かったような新しい教科もあり、教える前に保護者が勉強しなければいけない可能性もあります。

時間に余裕がない保護者にとっては難しい方法でしょう。

メリット:ストレスが少ない。親子のコミュニケーションが取れる。

デメリット:保護者の負担が大きい。

5)個別指導塾

子供が塾に通い先生と子供が1対1で勉強を進める方法です。マンツーマンの指導になるため、一人一人の子供に合わせたカリキュラム作成が可能です。

子供にとっても心を許せる先生がいる事で安心して勉強する事が出来ます。また塾には同世代の小学生も多数いるため、外部との接点も増えます。

周りの子供たちが勉強している様子を見れば、自分も頑張ろうと思うきっかけになるかもしれません。

デメリットとしては子供が塾に通う必要があることです。不登校の小学生にとって自宅以外の場所で勉強する事はストレスを感じるでしょう。

また新しい環境に慣れるまで時間がかかるかもしれません。保護者にとっても子供の送迎など負担がかかる場合があります。

メリット:子供も一人一人にあった指導が出来る

デメリット:塾に通う必要がある

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は不登校がだめでは無い理由を解説させて頂きました。また不登校の子にとって学校に通う事以外の選択肢を紹介致しました。

子供の不登校問題はとても複雑で非常に重いテーマです。

保護者としては子供が毎日楽しく学校に通う姿を想像されていたでしょうし、それが叶わなかった時の絶望感や虚無感は非常に大きいかもしれません。

しかし心配する必要はありません。状況を改善する方法はたくさんあります。

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